コンセプト

  • ホーム > 学習コーナー > 運動器系の痛み

学習コーナー

運動器系の痛み [貴方の病気のタイプ]


2 膝 痛

膝痛を起こす病証タイプの中でよくみられるものには、寒湿タイプ・湿熱タイプ・瘀血タイプ・気血両虚タイプ・肝腎不足タイプがあります。

「痛みの概括」のところで説明した虚実性でいうと、実証に属するのは寒湿タイプ・湿熱タイプ・瘀血タイプで、虚証に属するのは気血両虚タイプ・肝腎不足タイプです。

現代医学的な分類と対比すると、打撲など外傷性のものの多くは瘀血タイプに属し、老人性膝関節症といわれるものの多くは、肝腎不足タイプに属します。

 

寒湿タイプ:天候や冷房あるいは水に浸かって足腰が冷えたり、湿気に侵されたりした後に発症するタイプです。寒湿のうち寒邪が強い場合は、冷えて痛み、患部に触れると冷たく、筋肉のこわばりを伴います。湿邪が強い場合は、重く痛み、水が溜まって腫れます。筋肉のこわばりや腫れが強いと曲げ伸ばしができなくなります。

 

湿熱タイプ:日頃からむくみやすいなど、痰湿の多い体質の人が膝をひねったりして発症するか、体質的に熱性の人が寒湿に侵されるとそれが熱化して発症します。膝に水が溜まって赤く腫れて痛み、その腫れが強いと曲げ伸ばしができなくなります。

 

瘀血タイプ:おもに打撲などの外傷によって発症するタイプです。発症の当初で炎症が強い場合は、赤く熱を持って腫れあがり激痛を起こします(「瘀熱」ともいう)。

これが慢性化すると、患部の皮膚の色が黒ずんで、いつも同じ処が刺す様に痛むようになります。ひどいと夜寝ているときも痛みます。こうしたタイプには、難産や多産によって下肢の血行に負担がかかった経験のあり、下肢に静脈瘤が出ている女性も含まれます。

 

気血両虚タイプ:このタイプは、普段からあまり筋力のない人が、急にたくさん歩いたりして膝に負担がかかることで発症します。痛みは激しくはありませんが、動いて疲れると鈍痛を起こし、ひどいと力が入らなくなります。痛むところを揉んでやると痛みが和らぎます。

 

肝腎不足タイプ:このタイプは、長期間の重労働やスポーツのやりすぎで、膝の筋に過剰な負担をかけ続けるか、老化によって筋骨を養えなくなることで発症します。痛みは鈍痛で、歩行や立っている時間が長くなるとつらくなり、休息すると少し楽になります。また、腰や膝に力が入らず、押したり揉んだりすると痛みが和らぎます。

 

上記のタイプ分類に加えて、さらに膝周辺を循行する経絡のうち罹患している経絡を鑑別することも必要です。特に鍼灸治療では、疼痛部位に循行している経絡上の経穴(ツボ)に施術しなければ、効果を得にくいからです。膝部の経絡には、外側を循行する「足陽明胃経(あしのようめいいけい)」「足少陽胆経(あしのしょうようたんけい)」と、内側を循行する「足太陰脾経(あしのたいいんひけい)」「足厥陰肝経(あしのけついんかんけい)」、および膝の裏を循行する「足太陽膀胱経(あしのたいようぼうこうけい)」があります。

2013年07月01日(月)

ページ: 1 2 3

記事一覧へ