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慢性疲労 [貴方の病気のタイプ]


4-1 陰虚による虚労①

陰虚による虚労について、「1.虚労の総論」で説明したことを確認すると、次の2つがあります。

一つ目は、五臓のどれにも起こるので、比較的よく見られることです。また五臓以外でも、胃を中心とした六腑にも起こります。

二つ目は、病状が進むと気陰両虚や陰陽両虚など、重く複雑なものになりやすいことです。

 

これ以外に知っておきたいことは、陰虚は気虚などより体格的に痩せ細った人に起こりやすいことです。これらに注意しながら、さらに以下に挙げる臓腑別の原因と主な症候を理解して、鑑別をするとよいでしょう。

治療の方はこれまで同様、漢方薬と鍼灸のカテゴリーの中でそれぞれ紹介します。

 

1) 心陰虚タイプの虚労

①主な原因

熱性の疾患により陰液が消耗し、それが長引くと陰虚になります。通常は治療により回復するのですが、回復時の調整不足で慢性疲労状態に陥ると、陰虚タイプの虚労になります。その時、消耗が心に偏って現れるのが心陰虚タイプの虚労です。但し、熱性病にかかると誰もがこのタイプの虚労になるわけではなく、体質的に痩せ型で元々陰虚ぎみの体質の人に起こりやすいことも知っておきましょう。また、この陰虚ぎみの体質の人が、長期に渡る心労を経て慢性疲労状態に陥っても、このタイプの虚労になります。

このほか、心血虚タイプの虚労が進行してもこのタイプの虚労が出現しますが、心血虚タイプと違って、咽の乾きや微熱などの熱症状を伴うのが特徴です。

 

②主な症候

このタイプになると、心血虚と同様に心神(心と精神)の消耗によって現れる症候と、陰虚体質に共通する症候とが見られるようになります。

心神の消耗によって現れる症候には、動悸・不眠・精神不安などがあり、心陰虚ではさらに口内炎が出やすいという特徴があります。

陰虚体質に共通する症候には、手のひらや足の裏のほてり・咽や口の乾燥・頬の赤み・夕方から夜に出る微熱・寝汗・小便の量は少なく色が黄色いなどがあります。

 

ちょっと専門的になりますが、舌に興味のある人は、鏡で自分の舌を見て、舌の地肌が赤く、苔は少ないが表面には亀裂が入っているような場合は、陰虚の体質が強いと考えて下さい。

 

 

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