コンセプト

  • ホーム > 学習コーナー > 婦人生理

学習コーナー

婦人生理 [東洋医学の基礎知識]


2 月経の周期①

婦人科系の状態を自分で確認しようとしたときに、そのバロメーターとして最も重要になるのが月経の周期です。もし、ちょっと変だなと思ったときには、妊娠するしないということに限らず、基礎体温を測ってみるのもいいでしょう。周期的には1ヶ月前後で来ていても、体温が2層になっていないような場合は、どこかに問題があることが多いのです。

 

月経周期は、排卵や生理出血のほか基礎体温の高低を加えて、月経期・低温期・排卵期・高温期の4つに分けられます。現代医学でも、低温期と高温期によって、卵胞ホルモンと黄体ホルモンとが入れ替わって分泌しますので、婦人科を受診している方は、そうした情報も参考にして、中医学的な治療に生かしてもいいでしょう。ただし中医学では、ホルモンの数値を目安に調節するのではありません。中医学で原因としている生活習慣の異常や体質を改善していくと、結果的にホルモンの数値も良くなるということが多いのです。

 

まずここでは、月経のメカニズムに関わる臓腑経絡の作用をまとめておきましょう。それぞれの時期に関する内容は、この次に取り上げることにします。

月経と気血の関係からいうと、血は月経の本体で、気は血を運搬したり調節したりしています。細かくいうと、この血には、肝が蓄えている血(肝血)・脾が飲食物から生化した血が使われますが、さらに腎精も肝血に変化することによってこれを支えています。

気に関していうと、腎気は天癸という生殖の気を生み出して衝任脈の運搬を促します。肝気も緊張を除くことで運搬を調節しています。脾気は血が漏れでないように固摂するほか、飲食物から血を生み出すのも脾気の作用です。

月経に関わる臓腑としては、以上の気血との関係から肝・腎・脾胃が重要となります。

 

 

固定ページ: 1 2 3

記事一覧へ