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婦人科疾患 [貴方の病気のタイプ]


3-1 不妊症①

中医学における女性の不妊症の定義には、「男性の生殖機能に問題がなく、特に避妊をしているわけではないのに結婚後3年以上妊娠しない場合、および1度妊娠や出産した経験があっても、それ以後数年間にわたって妊娠しない場合」とあります。

 

不妊治療を行う際に、まず自分でできることとして基礎体温の測定があげられます。これをもとに、最初にトライする方法が、月経周期に合わせて性交を行うタイミング法ですが、これを半年以上行っても妊娠しない場合に、本格的な不妊治療を考えてください。治療に当たっては、次回に紹介するようなタイプ分類を行わなければなりませんが、これを行う上でも、月経周期や月経痛の掌握は必要になりますので、基礎体温のデータを持って、相談に行くことをお勧めします。

 

次に実際の治療についてですが、次回にあげるタイプ分類の判断はもちろん必要なことですが、もし月経不順や月経痛などの婦人科系統の症状がひどい場合は、そちらの治療を優先する場合があることを理解して欲しいのです。中医学の治療は現代医学と異なって、月経痛でも鎮痛だけを目的とするものではありませんから、痛みを引き起こす要因を調整することが、生殖器官全体の乱れを整えることにつながりますので、結果的に妊娠しやすくなります。しかし、激しい月経痛の治療には血行を強く促す「活血」などの治療が必要で、この治療は妊婦には流産を誘発する恐れがあるため、通常は不妊治療と並行しては行えないのです。

 

月経痛の治療は、月経前に集中して行う方が効果は高くなりますが、同時に不妊治療でタイミング療法などをやっていて「もしかして妊娠しているかもしれない」という状況下では、月経前に活血がしにくくなります。そこで生理が始まって妊娠していないことが確認できてからそれを行うことになりますが、そういう場合では治療期間が短くなってしまうため、効果が現れにくくなります。

 

こちらの薬局では、病院の不妊治療と合わせて行いたいという相談も多いのですが、中には月経痛などがひどく、症状からみて先に3~4ヶ月は避妊して月経痛の治療を優先した方が、後々不妊治療がしやすいことをお話しすることがあります。しかし、こうした人の多くは、並行して行いたいと要望されます。でも、こちらの経験では、思い切って先に月経の治療をした人の方が、かえって後で妊娠率は高くなっていることを、治療の前にお知らせしておきます。

  

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